step by step

老人保健施設の管理栄養士です。学んだことや日々の気づきなどを記録しています。

カーボカウント法について

カーボカウント法の勉強をしたので、記録します。
これは糖尿病でインスリン治療を行っている方が、血糖コントロールのために行う方法です。

カーボカウント
 「カーボ」・・・・Carbohydrate=炭水化物
 「カウント」・・・Count=数える、計算する

炭水化物量を数える。(計算する)という意味です。

<目的>
炭水化物によって上昇した血糖値を、インスリンを用いて下げることです。

栄養素が食後2時間で血糖値に変わる割合は
 炭水化物・・・・100%
 たんぱく質・・・50%
 脂肪・・・・・・・ 10%未満

食事摂取による血糖上昇は、炭水化物が主役です。そのため、食事中の炭水化物量に注目し、それに対応したインスリンを使うことで食後高血糖や、インスリンの効きすぎによる低血糖を抑えることができます。

<どのように使うか>
主にⅠ型糖尿病で強化療法か、インスリンポンプを使っている方に使われます。
頻回の血糖測定ができることが必要です。
万能の方法ではなく、ツールの一つとして用います。

<方法>
インスリン1単位に対応する炭水化物量を把握します。
計算方法は「500(450)ルール」と「食事で決める方法」があります。

①500(450)ルール

  500(450)÷インスリン総量

超速効型は500、速効型は450をインスリン総量で割ります。インスリン総量とは、インスリンの種類関係なく1日に使う量を合計したものです。この計算でインスリン1単位に対応する炭水化物量(g)がでます。
だいたいインスリン1:10~17になります。子供の場合は10ぐらいです。Ⅱ型糖尿病の方は、自分のインスリン分泌があるため、数字が大きくなります。インスリンの効き目は、インスリン抵抗性、朝・昼・夕、季節変動、運動、ホルモンの影響など、常に変化するため、数字は目安として用います。500(450)という数字は経験上決められた数値です。

②食事で決める方法

  1日に食べた炭水化物量(g)/インスリン総量

入院して計算された食事をしたり、食事記入をして計算し、1日の炭水化物量を把握します。その日の血糖値が安定していたら、炭水化物量をインスリン総量で割って、インスリン1単位に対応する炭水化物量を計算します。

<使い方>
インスリン1単位に対応する炭水化物量(g)がわかれば、食事や間食に含まれる炭水化物量を計算し、それに合ったインスリンを打って食事をします。

例えば超速攻型インスリン朝5、昼5、夕5、持効型10単位使っていて、1日の総インスリン量が25単位の場合、

 500÷25=20

炭水化物20gで超速攻型インスリン1単位必要ということになります。
饅頭を食べるときは、1個で炭水化物約35g含まれているので

 35÷20=1.75

超速効型インスリンを1~2単位打って食べるとよいことになります。

<参考文献>